現役パティシエと学ぶ、お菓子の歴史

ヨーロッパを中心にお菓子の誕生から現在まで、その背景も一緒に学んでいきましょう。

「パリ、ブルダルー通りのタルト 」~Tarte Bourdaloue~

 

Bonjour à tous !

 

 

パリはすっかり緑も深まり、日差しが刺さる青空と雨、雷を繰り返しながら夏に向かっています。

今回はフランスに来る前から、パリに来たら絶対行こう!と決めていたブルダルー通りに行って来ました。

 


目的は通りの名前のついたこちらのブーラジュリー。

 

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土曜日の夕方に行ったので、お店のショーケースには小さな一人分サイズのタルトしか残っていませんでしたが、それでもお目当てのお菓子を発見。今ではフランス中ブーランジュリーやパティスリーで見つけることのできる、パートシュクレにクレームダマンド、洋梨を乗せて焼き上げたシンプルなこのタルト、プライスカードには〝Tarte au poire〟と書かれていました。

 

 

 

このタルトを一切れと、その隣で美味しそうに並べられていたフランも一切れ、ついでに購入しお会計をすませると、私はマダムに聞いてみました。

 

 

 

「このタルトは〝タルトブルダルー〟なんですか?」

 

 

 

先程まで素っ気なかったマダムが一瞬驚いた顔をしてすぐ笑顔になり、

「そうなのよ!このお店が昔はパティスリーでショコラや他のお菓子も売っていたのよ!これが本当のタルトブルダルーよ!」

 

 

 

と答えるマダムに、

「ブルダルー通りにこれを探しに来たんです!」

 


とこちらも笑顔になり、紙箱にざっくりと入れられたタルトを大切に持ち帰りました。

 

 


さてこれが今回手に入れたブルダルー通りの「Tarte Bourdaloue」

 

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れっきとしたパティスリーパリジャンで、名前の由来はもちろん通りの名前から来ています。

その誕生は1850年頃、ブルダルー通りでパティスリーを開いていたファスケルと言うパティシエの考案だと言われています。

 


今回頂いたタルトは、小麦粉入のパン屋さんらしいクレームダマンドに洋梨の素朴な味でしたが、元々のルセットは、パータシュクレにクレームダマンド、又はフランジパーヌ(クレームパティシエールを合わせたクレームダマンド)を詰め、洋梨を置く前に砕いたマカロンとノワゼットを敷いたそうです。マカロン洋梨の水分を吸わせる役目、ノワゼットは食感ですね。

 


個人的には、このシンプルな構成のお菓子はきっとファスケルシェフ以前にも作られていた可能性はあると思うし、実際にほとんど違いは無いけれど、あえてタルトオポワールとタルトブルダルーの違いを挙げるとすると、きっとナッツ感の違いなのかなと思います。梨の水分を吸う役割としてはビスキュイのクラムを使うこともよくありますが、オリジナルのレシピに習って、ノワゼットを散りばめれば、堂々とブルダルーを名乗れるはずです!

 


また本来は温かい状態で食べていたそう…。

 


今回ブーランジュリーBourdaloueで見つけたタルトに時代とともに薄れてしまった〝ブルダルー感〟を感じずにはいられなかったので、更にブルダルー感の強いタルトポワールを見つけたら追ってレポートしたいと思います。

 

 

 

それでは!

À bientôt ;)!!

 

 

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« ブルダルー通りの様子»

 

 

 

 

 

いつもの材料をお得に購入(cotta)