現役パティシエと学ぶ、お菓子の歴史

ヨーロッパを中心にお菓子の誕生から現在まで、その背景も一緒に学んでいきましょう。

「リヨン名物プラリーヌルージュ」

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Bonjour à tous !

 

今日はリヨン名物のプラリーヌルージュについて。

 

 

 

リヨンの銘菓としてこのビビッドピンクなプラリーヌがあるのですが、街中のパティスリーもちろん、ブーランジュリー、スーパーなどでも買うことが出来ます。

 

そもそも『プラリーヌ』とはアーモンドに砂糖を溶かし絡めて結晶化させたお菓子。

 

発祥は17世紀。貴族が国王に対して起こした最後の反乱、『フロンドの乱』の翌年でした。

ショワズール公プレシ=プララン元帥は、街の有力者を集め、反乱後の和解条約を取り決める為、大規模な宴を催しました。そしてその時、彼の料理人のラサーニュに即席で、何かつまめるお菓子を作るよう言いつけたのでした。これが『プラリーヌ』の始まりです。主人の名前を付けたそのお菓子は、女性達や大使達の心を掴み、外交的な役割を果たしたそうです。

 

 

(余談ですが、元帥とは軍事最高位の事を指しますが、フランスの元帥は称号の様なものであり、階級ではありません。同時代に元帥の名を賜った人は他にも存在しました。)

 

 

 

そのプラリーヌが、なぜリヨンでは赤く着色され、スペシャリテになったのかは私には未だ分かりません。分かり次第こちらに書き込もうと思います!

 

 

さて、リヨンにはプラリーヌルージュを使った、沢山のお菓子やパンがあるのですが、代表的なものを2つ紹介しましょう。

 

 

まずはこちら!『ブリオッシュプラリーヌ』です!

 

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リヨンのパン屋さんには必ずと言っていいほど置いてあります。

見た目の色が鮮やかすぎて、大味なのかなぁーという疑問を持っていましたが、実際に食べてみると、プラリーヌの砂糖が底で溶けてキャラメルになり、アーモンドの食感と風味もたっぷりで予想以上の美味しさでした!ショコラでも有名な「フランソワ・プラリュー」ではプラリュリーヌと言う更にはリッチなレシピのものも売られています。

 

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そして2つ目がこちら、『タルトプラリーヌ』!

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タルトの型を空焼きし、その中にプラリーヌルージュと生クリームを煮詰めたアパレイユを流し入れて固めます。アパレイユの煮詰め具合や、クリームの割合が違ったり、または流した後にオーブンにサッと入れて表面を結晶化させているお店もあります。基本的には、切ると中がトロッと出てきて、甘味がとても強いお菓子です。リヨンっ子ならば子どもの頃に必ず食べて、歯を真っ赤にしたことがあるはず… 

 

私の職場でも、デセール用に少し小さめに作っています。(大きいと甘すぎるので、私にはこれが丁度!!)

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シンプルなだけに作り手の個性がでるお菓子。

いろんなお店を試して、自分のお気に入りを見つけられたら素敵ですね!

 

 

上の2つ以外にも、プラリーヌを使った沢山のお菓子があります…

また次回紹介しましょう!

お楽しみに…

 

A bientôt ;)!   

 

 

 

いつもの材料をお得に購入(cotta)