「砂糖」 ①
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まず始めは、お菓子作りに不可欠な材料のひとつ、「砂糖」から勉強していきたいと思います。
砂糖にもいくつか種類がありますが、その中でも一番私たちの生活に根付いている、サトウキビから採れる砂糖(蔗糖)の誕生からです。
イネ科の植物、サトウキビはインドネシアのニューギニア島付近が発祥とされ、その後紀元前6000年ごろには、インドや東南アジアに広まりました。サトウキビから砂糖の精製を始めたのは北インドのベンガル地方とされています。
紀元前130年頃の書物には食卓にすでに砂糖菓子やシロップがあったこと、また、サトウキビがそのまま並んでいて、人々はそれをかじり、直接汁を吸っていたことが記されています。
さて、サトウキビが中東や地中海に伝わってくるのは紀元前500年頃、キャラバン(ラクダなどを使った長距離商隊)によってですが、それ以前のオリエント世界のお菓子事情はどの様なものだったのでしょうか。
紀元前3000年頃には、地中海付近ではメソポタミア文明が、エジプトではエジプト文明が栄えていました。実はその頃すでに、イチジクのコンポートだとか、パンなど、お菓子の類が生まれ始めていたのです。ではそれらのお菓子が、どの様な糖類を使ってできていたかというと、蜂蜜や果実そのものの糖分、または栽培されていたナツメヤシを完熟させて絞ったシロップ「デバル」などでした。
サトウキビの砂糖はオリエント世界に持ち込まれた後も、中世、ルネサンスごろまで非常に高価なものであり、ときに金ほどもの価値のある、薬でありスパイスであり、王侯貴族のための物でしかなかったのです。
ではこの砂糖が、いかにして庶民の間に普及したか、お菓子の材料として出回っていったかということは、次回の記事で書いていきたいと思います・・・